PANOVA-3試験
PANOVA-3(EF-27)海外第Ⅲ相(ピボタル)試験(海外データ)
承認時評価資料(PANOVA-3、EF-27試験)
Babiker HM, et al.: J Clin Oncol. 2025; 43(21): 2350-2360.
[COI:本試験はNovocure社の支援で行われた。本論文の著者にNovocure社よりコンサルタント料等を受領している者が含まれる]
【試験概要】
目的
切除不能な局所進行膵腺癌患者を対象に、ゲムシタビンおよびナブパクリタキセルと併用したオプチューンパクスの有効性および安全性を、ゲムシタビンおよびナブパクリタキセルのみの場合と比較し検討する。
試験の種類
無作為化、非盲検、多施設共同、前向き、ピボタル(第Ⅲ相)試験
対象
18歳以上で、組織診断または細胞診で診断された新規の膵腺癌を有し、余命が3ヵ月以上見込まれている患者
治療方法
オプチューンパクス[体幹部(腹部)交流電場腫瘍治療システム、TTフィールド]:150kHz、≧ 18時間/日(推奨平均使用量)
SOC:ゲムシタビン1,000mg/㎡およびナブパクリタキセル125mg/㎡を28日間のサイクルで、Day 1、8および15に点滴静注する。救済療法として外科手術および放射線療法が許可された。これ以外の抗癌療法は許可されなかった。
主要評価項目
ITT集団の全生存期間(OS)
副次評価項目
ITT集団の無増悪生存期間(PFS)、ITT集団の局所PFS、ITT集団の客観的奏効率(ORR)、ITT集団の生活の質(QOL)、 ITT集団の無痛生存期間、安全性 など
事前に規定された補完的解析
修正ITT(mITT)集団のOS、mITT集団のORR
事後解析
ITT集団の遠隔PFS
解析計画
本試験では2回の解析(中間解析および最終解析)を実施可能にするため、Lan-DeMets法に従い、O‘Brien-Fleming型のα消費関数を用いて、各時点で使用するα水準を決定した(中間解析では約0.0065、最終解析では0.04794)。主要評価項目に関する2回の有効性解析(中間解析および最終解析)を実施可能にするため、ITT集団を対象に、α水準0.04794の層別Log-rank検定(両側)を用いて、主要評価項目であるOSにおける治療間の差を検討した。副次評価項目であるイベント発生までの期間については、いずれもα水準を0.05とした。イベント発生までの期間に関する評価項目は、いずれもカプランマイヤー(KM)推定量を用いて要約した。また、KM解析を用いて無作為割付けから3ヵ月間隔(3、6、9、12ヵ月目など)で生存患者の数および割合を要約し、片側t検定を用いて両群で比較した。なお、多重性を避けるため、OSおよびPFSは階層的に行われた。ORRおよび切除可能率はα水準=0.05の片側のFisher正確確率検定を用いた。
mITT集団のOS、mITT集団のORRは事前に規定された補完的解析として検討した。ITT集団の遠隔PFSは事後解析として検討した。SOC単独の場合と比較したオプチューンパクスおよびSOC併用の効果も、地域層別変数を共変量とする層別※2 Cox 比例ハザードモデルを用いて推定した(ECOG=2の層ではイベント発生が10未満と低かったため、ECOGを層別因子から除外した)。また、ハザード比(HR)とその95%信頼区間(CI)およびp値を推定した。欠測値の補完は行わなかった。
※2 ECOG(0~1/2)、地域(北米/東欧/西欧およびイスラエル/その他の地域)
<画像診断の判定>
画像診断において、中央判定は義務付けられておらず、各施設の標準的な手順に従って実施された。
<解析対象集団>
有効性解析はITT集団およびmITT集団を対象に行った。ITT集団:治療を受けたかどうかに関係なく、無作為割付けされた患者571例(オプチューンパクス+SOC併用285例、SOC単独 286例)、mITT集団:完全な試験治療サイクルを1回以上受けたすべての患者405例(オプチューンパクス+SOC併用198例、SOC単独207例)
安全性解析対象集団:オプチューンパクス+SOC併用群のうち装着時間にかかわらずオプチューンパクスの治療を受けた、または投与量にかかわらずゲムシタビンもしくはナブパクリタキセルの投与を受けた全患者、およびSOC単独群のうち投与量にかかわらずゲムシタビンまたはナブパクリタキセルの投与を受けた全患者547例(オプチューンパクス+SOC併用274例、SOC単独273例)
<mITT集団の定義>
完全な試験治療サイクルを1回以上受けたすべての患者を対象とした集団。SOC単独群は、ゲムシタビンおよびナブパクリタキセルの投与を両剤とも1サイクル以上受けた場合(3回投与で1サイクル、すなわち各28日サイクルのDay1、8および15に投与)、オプチューンパクス+SOC併用群は、SOC単独群と同様にゲムシタビンおよびナブパクリタキセルの投与を受け、オプチューンパクスの治療を28日以上受けた場合にmITTの対象とした。
最終解析
2024年10月16日(データカットオフ日)
患者背景(ITT集団)
治療状況
オプチューンパクスの実施期間(安全性解析対象集団)
SOCの実施期間(安全性解析対象集団)
PANOVA-3(EF-27)試験の有効性
OS(ITT集団)[主要評価項目]
ITT集団におけるOS中央値は、オプチューンパクス+SOC併用群では16.2ヵ月、SOC単独群では14.2ヵ月となり、最終解析において主要評価項目を達成しました(p=0.039、有意水準:0.04794)。
OS(mITT集団)[事前に規定された補完的解析]
事前に規定されていたmITT集団におけるOS中央値においても、オプチューンパクス+SOC併用群では18.3ヵ月、SOC単独群では15.1ヵ月となり、ITT集団の主要評価項目と一貫した有効性が確認されました(p=0.023)。
局所PFS(ITT集団)[副次評価項目]
ITT集団における局所PFS中央値は、オプチューンパクス+SOC併用群では12.5ヵ月、SOC単独群では10.4ヵ月でした(p=0.151)。
遠隔PFS(ITT集団)(事後解析)
ITT集団における遠隔PFS中央値は、オプチューンパクス+SOC併用群では13.9ヵ月、SOC単独群では11.5ヵ月でした(p=0.022)。
無痛生存期間(ITT集団)[副次評価項目]
ITT集団における無痛生存期間中央値は、オプチューンパクス+SOC併用群では15.2ヵ月、SOC単独群では9.1ヵ月であり、オプチューンパクス+SOC併用群はSOC単独群に比べて無痛生存期間を有意に延長しました(p=0.027)。
QOL(EORTC QLQ C30質問票および膵癌用PAN26質問票)(ITT集団)[副次評価項目]
ITT集団におけるQOLスコアのベースラインからの改善の平均は、下図の通りでした。
ORR(ITT集団)[副次評価項目]、ORR(mITT集団)[事前に規定された補完的解析]
ITT集団におけるORRは、オプチューンパクス+SOC併用群では36.1%、SOC単独群では30.0% でした(片側p=0.094)。
mITT集団におけるORRは、オプチューンパクス+SOC併用群では41.3%、SOC単独群では34.3% でした(片側p=0.07)。
PANOVA-3(EF-27)試験の安全性
安全性の概要(安全性解析対象集団)[副次評価項目]
すべての有害事象は、オプチューンパクス+SOC併用群では97.8%(268例)、SOC単独群では98.9%(270例)に認められました。血液およびリンパ系障害はオプチューンパクス+SOC併用群では81.4%(223例)、 SOC単独群では86.1%(235例)で同程度でした。
オプチューンパクス デバイス関連有害事象(安全性解析対象集団)[副次評価項目]
オプチューンパクス デバイス関連有害事象は222例で、そのうち209例は皮膚および皮下組織障害でした。
オプチューンパクス デバイス関連皮膚有害事象(安全性解析対象集団)[副次評価項目]
皮膚および皮下組織障害は209例、グレード3以上は21例(7.7%)でした。皮膚および皮下組織障害の内訳は皮膚炎、発疹、そう痒症などでした。